ダイエット中の目標タンパク質量
「1日にたんぱく質をどれくらい摂ればいいのか」は、実は「目的」によって大きく変わります。健康維持を目的とするのか、筋肉をつけたいのか、それとも減量中に筋肉を落とさないようにしたいのか。今回は、一次資料の計算式をもとに、目的別の必要量を体重60kgの例で具体的に計算してみます。
タンパク質
令和5年国民健康・栄養調査によると、日本人成人のたんぱく質摂取量の平均は男性77.7g、女性65.7gであり、厚生労働省の推奨量(男性65g、女性50g)は上回っています。
ただし、ダイエット中は話が変わってきます。
健康維持を目的とする場合(厚労省の推奨量)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の推奨量は、年齢によって変わります。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜64歳 | 65g | 50g |
| 65歳以上 | 60g | 50g |
これは体重に関わらず一律の数値です。「ほとんどの人が欠乏症にならない最低限のライン」であり、筋肉づくりや減量を目的とした基準ではありません。
筋トレをする場合
筋トレをしている人には、体重を基準にした計算式のほうが実用的です。ISSN(国際スポーツ栄養学会)では、以下の計算式が示されています。
1日の目標たんぱく質量(g) = 体重(kg) × 係数(g/kg)
| 目的 | 係数 |
|---|---|
| 筋肉の維持・増量 | 1.4〜2.0 g/kg |
| 減量中に筋肉量を維持 | 2.3〜3.1 g/kg |
例えば体重60kgの人で考えてみると、筋肉の維持・増量の場合84〜120g、減量中に筋肉量を維持の場合138〜186gのタンパク質が目標ということになります。
実際の食品でどれくらい必要か
体重60kgの人のタンパク質必要量で考えてみます。
鶏むね肉(皮なし、100gあたりたんぱく質約23.3g)で換算すると、以下の通りです。
| 目的 | 必要量 | 鶏むね肉(皮なし)換算 |
|---|---|---|
| 健康維持 | 50〜65g | 約215〜280g(約0.9〜1.1枚) |
| 筋肉の維持・増量 | 84〜120g | 約360〜515g(約1.4〜2.1枚) |
| 減量中に筋肉量を維持 | 138〜186g | 約590〜800g(約2.4〜3.2枚) |
ダイエット中は鶏むね肉を3枚近くも食べるのが目標ということになります。
まとめ
たんぱく質の必要量は、「健康維持」「筋肉の維持・増量」「減量中の筋肉維持」で大きく異なります。厚労省の推奨量だけを基準にすると、筋トレをしている人や減量中の人にとっては全く足りない可能性があります。
しかし、ダイエットは継続が大切なので、自分にできる範囲内で続けられる量を食べましょう。
参考文献
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2017.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5477153/
