【環境別】筋トレの種類とやり方まとめ|家・器具・ジムで選べるガイド
「筋トレを始めたいけど、何を揃えればいいかわからない」という方は多いと思います。この記事では、筋トレを①家でできる方法(自重)②器具を使う方法(自宅+α)③ジムに行く方法(マシン)の3つに分けて、やり方と特徴をまとめました。
自分の環境に合った方法から選んでみてください。なお、各種目のやり方は、米国運動評議会(ACE)のExercise Libraryの内容と照らし合わせて確認しています。
この記事の結論:どの方法でも効果はある
米国スポーツ医学会(ACSM)が2026年に発表した最新の指針があります。137件の研究をまとめた大規模な指針で、17年ぶりの改定として発表されました(改定の背景については「筋トレにおける考え方」で解説しています)。
なお、このガイドラインは主に欧米発の研究をもとにしており、日本人を対象に検証されたものではありません。ただし、セット数や頻度といった基本原則は国籍を問わず広く当てはまると考えられており、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」とも大きな方向性の矛盾はありません。この記事では、国際的なエビデンスに基づく一般原則として紹介しています。
この指針でいちばん大事なポイントは、「完璧なやり方を探すこと」よりも「何かを続けること」の方がずっと大事だということです。
ただし、確認されている効果の範囲はやり方によって少し違います。
- ゴムバンド:筋力が上がる効果も、筋肉が大きくなる効果も、どちらも確認されています
- 自重・自宅トレーニング:筋力・筋持久力・バランスが良くなる効果は確認されていますが、「筋肉が大きくなる効果」についてはまだ十分なデータがありません(効果がないという意味ではなく、「まだよくわかっていない」という意味です)
この違いは記事の中で改めて説明します。
① 家でできる方法(自重トレーニング)
器具を使わず、自分の体重だけを負荷にする方法です。お金がかからず、すぐに始められます。
| 部位 | 種目 | やり方 |
|---|---|---|
| 胸 | プッシュアップ(腕立て伏せ) | 手を肩幅より少し広くつき、体を頭からかかとまでまっすぐに保つ。胸を床に近づけるまで下ろし、床を押して戻す |
| 脚全体 | スクワット | 足を腰幅より少し広く開き、つま先はやや外向きに。体重をかかとに残しながらお尻を後ろに引き、太ももが床と平行になる高さまで下げる。膝はつま先(足の人差し指あたり)の向きと揃え、内側に入れない |
| 脚・お尻 | ランジ | 片脚を大きく前に出し、前脚の太ももが床と平行になる高さまで沈める。体が左右に揺れないよう注意し、前脚で床を押して戻る |
| 背中 | スーパーマン | うつ伏せに寝て腕を頭の上に伸ばす。両手両足を同時に数センチ持ち上げ、腰を反りすぎないようにしながら数秒キープしてから下ろす |
| お腹 | プランク | 肘を肩の真下につき、脚を伸ばして体を支える。お尻が上がったり腰が反ったりしないよう、頭からかかとまで一直線をキープする |
| お腹 | クランチ | 仰向けで膝を立てる。腰と足は床につけたまま、みぞおちを丸めるように上体だけを持ち上げる |
| 二の腕 | ディップス | 椅子やソファの縁に手をつき、脚を前に伸ばす。上腕が床と平行になる高さまで腰を下げ、押し上げて戻る。三頭筋への効果は高いが肩関節に負担がかかりやすいため、痛みがあれば中止する |
強度を上げたいとき
- 片脚・片腕にして負荷を増やす
- ゆっくり動いて、筋肉に効いている時間を長くする
- 回数やセット数を増やす、休憩を短くする
この方法の弱点
体重より重い負荷はかけられないので、慣れると物足りなくなることがあります。また、自重や自宅でのトレーニングは、筋力・筋持久力・バランスの改善は確認されていますが、「筋肉を大きくする効果」についてはまだデータが十分ではありません。筋肉を大きくしたい場合は、②のゴムバンドなど負荷を追加できる方法もあわせて検討してみてください。
② 器具を使う方法(自宅に少し投資する場合)
チューブやダンベルなど、価格も場所もそこまでとらない器具を使う方法です。自重より重い負荷をかけられ、種目も増やせます。
| 器具 | 主な使い方 |
|---|---|
| チューブ・ゴムバンド | スクワット、引く動作、押す動作など幅広い種目に使える(詳細は下記) |
| ダンベル | 肩の高さから頭上へ押し上げるショルダープレス(肩)、肘を体側に固定して曲げ伸ばしするアームカール(二の腕)、前傾姿勢で肘を後ろに引くダンベルロウ(背中)など |
| 可変式ベンチ | 角度を変えることで、胸の上部・下部など狙う場所を変えられる |
| 懸垂バー(ドア設置型) | 背中を鍛える懸垂が自宅でできるようになる |
ゴムバンドでの具体的なやり方
- スクワット:バンドを足で踏み、両端を肩にかけて①と同じ動きをする
- 引く動作(ラットプルダウンの代わり):ドアや柱の上にバンドを固定し、胸を張ったまま肘を体側に引き寄せるように下に引く
- ロウイング:座って脚を伸ばし、バンドを足裏に引っかけて持つ。背すじを伸ばしたまま、肘を体の後ろに引き寄せる
- チェストプレス:バンドを体の後ろ(壁やドア枠)に固定し、胸の高さで持ってまっすぐ前に押し出す
ゴムバンドは伸びるほど負荷が強くなります。そのため、スクワットなら立ち上がる直前など、動きの後半に負荷がかかりやすいのが特徴です。ダンベルやマシンとは違う刺激が入ります。
なお、①の自重トレーニングと違い、ゴムバンドは「筋力が上がる効果」も「筋肉が大きくなる効果」も両方確認されています。
この方法の注意点
ダンベルなどはマシンと違って動きの軌道が決まっていないため、正しいフォームを覚えることが大切です。慣れるまでは軽い重さから始め、フォームを優先しましょう。
③ ジムに行く方法(マシン・大型器具)
自宅では扱いにくい重いバーベルや、フォームが安定しやすいマシンを使う方法です。できることの幅がいちばん広がります。
| 器具 | 主な使い方 |
|---|---|
| バーベル | スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなど、複数の筋肉を同時に使う重めの種目 |
| ラットプルダウンマシン | 太もものパッドで体を固定して座り、肩幅よりやや広くバーを握って胸の上部あたりまで引き下ろす |
| レッグプレスマシン | 座って足をプレートに乗せ、腰を反らさないよう注意しながら脚を伸ばして押し出す。腰への負担を抑えながら脚全体を鍛えられる |
| ケーブルマシン | ケーブルの張力を使うため、動きの最初から最後まで負荷がかかり続ける |
| チェストプレスマシン | 座ってハンドルを胸の高さに合わせ、腰を反らさないよう体幹を固定しながら前方に押し出す |
| アイソレーションマシン | レッグエクステンション(太もも前)、レッグカール(太もも裏)など、狙った部位だけを鍛えられる |
この方法のメリット
重い重量を扱えるうえ、マシンは動きの軌道が固定されているので、フリーウェイトよりもフォームが崩れにくく、初心者でも安全に取り組みやすいです。
この方法の注意点
月会費や通う時間がかかります。無理なく続けられる範囲で通うことが前提です。
共通のポイント:どの方法でも押さえておきたいこと
ACSM 2026年版の指針から、環境に関係なく共通する基本方針を3つ紹介します。
- 主要な筋肉を週2回以上鍛える:ACSMは「上半身・下半身」「押す動き・引く動き」という分け方をしています。これに沿うと、だいたい胸・背中・脚・肩・腕をカバーする形になります。お腹(体幹)を主要な筋肉として明記した記載は原論文にはありませんが、多くの運動指針で重視されているので、あわせて鍛えることをおすすめします。
- 同じ筋肉のトレーニングは間隔を空ける:ACSMの指針では「週2回以上」というペースが明記されています。「48時間空ける」という具体的な数字は、筋肉が回復するしくみに関する一般的な知識によるもので、今回のACSMの指針そのものに書かれているわけではない点にご注意ください。
- 限界まで追い込まなくてOK:「あと2〜3回できる」くらいの余力を残す強さでも、限界までやったときと同じくらいの筋力・筋肥大効果が得られることが確認されています。無理に追い込む必要はありません。
負荷の種類(自重・ゴムバンド・ダンベル・マシン)そのものよりも、この3つを守って続けられるかどうかが、いちばんの決め手になります。
まとめ:自分に合った方法から始めよう
- 今すぐ、お金をかけずに始めたい → ①自重トレーニング
- 自宅でしっかり取り組みたい → ②チューブ・ダンベルを揃える
- 重い重量やマシンの安全性を重視したい → ③ジムに通う
どの方法も、正しいフォームで週2回以上続ければ効果は期待できます。まずは自分が続けやすい方法から始めてみてください。
なお、「理想のやり方を探すより、まず始めて続けることが大事」という考え方の背景については、「筋トレにおける考え方」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
参考文献
Currier BS, D’Souza AC, Fiatarone Singh MA, et al. American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Med Sci Sports Exerc. 2026;58(4):851-872. doi:10.1249/MSS.0000000000003897
全文(無料閲覧):https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12965823
American Council on Exercise (ACE). Exercise Library. https://www.acefitness.org/resources/everyone/exercise-library/
