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外食・コンビニ食でもPFCバランスは整えられる?研究データと実践のコツ

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むー

「今日は忙しくてコンビニ弁当」「付き合いで外食続き」——ダイエットやPFC管理をしていると、こうした場面で「バランスが崩れそう」と気になったことはありませんか。

外食やコンビニ食は、単品で済ませやすく、揚げ物や丼もの中心になりがちで、栄養バランスが偏りやすいというイメージがあります。この直感は実際どこまで正しいのか、まず研究データで確かめたうえで、コンビニ・外食それぞれの場面での具体的な選び方を整理してみます。

なぜ気にする価値があるのか

外食が多いと、何が起きやすいのか

2022年に発表された研究(Gesteiro et al., 2022, Nutrients)は、2009年から2020年までに発表された57件の研究、40万人超のデータをまとめたものです(※これは複数の研究結果を統計的に1つの数値にまとめる「メタ解析」ではなく、研究全体の傾向を整理する「スコーピングレビュー」という手法です)。

この整理によると、外食の頻度が高い人ほど、エネルギー・脂質・糖分・塩分の摂取量が多くなりやすく、反対に食物繊維・野菜・果物・乳製品・微量栄養素の摂取が少なくなりやすい傾向が、複数の国の研究で共通して見られています。

それは実際の健康に関係するのか

「栄養素が偏る」と聞いても、少し抽象的に感じるかもしれません。もう一歩踏み込んだデータとして、アメリカの大規模な追跡調査があります(Zong, Eisenberg, Hu & Sun, 2016, PLOS Medicine)。

これは、看護師や医療従事者を対象にした2つの大規模な追跡調査(Nurses’ Health StudyとHealth Professionals Follow-up Study)のデータを使ったもので、女性58,051人・男性41,676人を、最大26年間、延べ210万人年という長期間にわたって追いかけています。

その結果、自宅で調理した食事(昼食・夕食)を食べる頻度が高い人ほど、2型糖尿病を発症するリスクが低いという、頻度に応じた関係が確認されました。週11〜14回自炊していたグループは、週0〜6回のグループと比べて糖尿病の発症リスクが14%低く(ハザード比0.86、95%信頼区間0.81-0.91、統計的にも意味のある差でした)、体重増加量も少なめでした。

対象がアメリカの医療従事者という特定の集団である点は差し引く必要がありますが、「外食が多い生活パターン」が、単なる印象論ではなく実際の健康と関連しうることを示すデータと言えます。

日本人でも同じ傾向はあるのか

海外のデータだけでなく、日本人自身のデータでも似た傾向が確認されています。厚生労働省の2015年国民健康・栄養調査をもとにした研究(Matsumoto et al., 2021, Nutrition Journal)では、18〜64歳の日本人成人2,221人(男性921人・女性1,300人)を対象に、外食・中食(テイクアウト)の頻度と栄養素の摂取量との関係を調べています。

この研究で、外食・中食の頻度による違いが男女どちらにも共通して見られた栄養素は、食物繊維でした。外食・中食の頻度が高いグループほど、食物繊維の摂取が目標量を下回りやすいという結果が、男女それぞれで確認されています。

なお、この研究では、鉄とカリウムの不足は男性でのみ、ビタミンCの不足は女性でのみ、統計的に意味のある差として確認されており、栄養素によって影響を受けやすい性別が異なる、という結果も出ています。栄養素ごとに一様な影響ではない点には注意が必要ですが、食物繊維の不足は、外食・コンビニ食が続く人にとって、性別を問わず気に留めておきたいポイントと言えそうです。

ただし、この調査はある1日だけの食事記録に基づく調査であり、外食・中食の頻度と栄養素不足の間に「関連」が見られたというもので、「外食が原因で栄養素が不足する」という因果関係まで証明したものではない点には注意してください。

基本のおさらい:PFCバランスの目安

PFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)の基本的な考え方や目安の数値については、以前の記事ダイエット中のPFC管理って何のこと?で詳しく解説しています。この記事では「外食・コンビニ食という具体的な場面で、どう実践するか」に絞って見ていきます。

コンビニでの実践

先ほど見たように、外食・コンビニ食が続くと食物繊維が不足しやすいというのが、押さえておきたいポイントでした。この視点を持ったうえで、コンビニでの選び方を考えてみましょう。

2000年に文部科学省・厚生労働省・農林水産省の3省が定めた「食生活指針」を、具体的な行動に落とし込むために2005年に厚生労働省と農林水産省が作った「食事バランスガイド」では、主食(ごはん・パン・麺など)・主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)・副菜(野菜・きのこ・海藻など)を組み合わせることが、バランスの取れた食事の基本とされています。 コンビニでもこの考え方をそのまま使えます。

  • 主食:おにぎり、サンドイッチ、パンなど。単品で終わらせず、主菜・副菜と組み合わせる
  • 主菜:サラダチキン、焼き魚、卵、豆腐、納豆など。揚げ物ばかりに偏らない選択肢も豊富にある
  • 副菜:サラダ、野菜スープ、海藻サラダ、きのこの惣菜、具沢山の味噌汁など。ここが不足しがちな食物繊維を補う鍵になる

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、外食・中食を利用する際は「主食・主菜・副菜が揃っているかチェックし、野菜が少ない弁当や麺類を選ぶ場合は副菜を1品追加する」ことが呼びかけられています。コンビニなら、「おにぎり(主食)+焼き魚(主菜)+お浸し(副菜)」のように、単品を組み合わせるだけで食事バランスガイドの形に近づけることができます。

コンビニで個別に包装されて売られている商品の多くには、栄養成分表示があります。この見方については、後ろの「栄養成分表示の読み方」で詳しく説明します。

外食での実践

外食でも、基本の考え方はコンビニと同じです。「主食・主菜・副菜が揃っているか」という視点を持つだけで、選び方はかなり変わります。

  • 定食屋・食堂:定食は主食・主菜・副菜が揃っていることが多く、外食の中では選びやすい部類です。小鉢や野菜の副菜がついているか確認しましょう
  • 牛丼・丼もの チェーン:単品の丼だけだと副菜が不足しがちなので、サラダや味噌汁、冷奴などを追加するのがおすすめです
  • ファストフード:ハンバーガー単品よりも、サイドサラダを追加する、ポテトを控えるといった工夫で、多少バランスを整えられます
  • 居酒屋:単品の一品料理を頼みがちですが、野菜料理や豆腐料理を意識的に選ぶと副菜を補いやすくなります

居酒屋については、もうひとつ注意点があります。実は、お酒自体が体の中での脂肪の燃え方に影響することが研究でわかっています。アルコールを摂取すると、体はアルコールを優先的にエネルギー源として使おうとするため、一緒に食べた脂質が燃えにくくなり、脂肪として残りやすくなるのです。さらに、飲酒後は食欲が増して食事量そのものが増える傾向を示す研究もあります(ただし実験ごとの結果のばらつきが大きく、対象が若い成人に偏っているといった限界も指摘されています)。お酒とダイエットの関係については、お酒はダイエットにどのくらい良くないのかで詳しく解説しているので、飲み会が多い方はあわせて読んでみてください。

なお、外食チェーンの中にはメニューにカロリーや栄養成分を自主的に載せている店舗もありますが、これはコンビニの加工食品のような法律上の義務ではなく、あくまで各企業が自主的に行っている取り組みです。「表示がないから確認できない」という場面が外食では珍しくない、ということは知っておくとよいでしょう。

栄養成分表示の読み方

コンビニで売られている、個別に包装された加工食品(おにぎり・弁当・惣菜パックなど)には、消費者庁の「食品表示基準」というルールに基づいて、栄養成分表示が義務付けられています。この表示は、熱量(エネルギー)・たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)の5項目を、この順番で表示することになっています。

  • 熱量(kcal):商品全体の量か、それとも「1食あたり」「100gあたり」なのか、単位をよく確認しましょう
  • たんぱく質・脂質・炭水化物:PFCバランスを確認するときは、この数字がそのまま使えます
  • ナトリウム(食塩相当量):塩分の摂り過ぎが気になる方は、ここをチェックする習慣をつけると良いでしょう

なお、コンビニの総菜コーナーなどで量り売りされている商品は、表示義務の対象外になっている場合もあります。「コンビニのものなら必ず表示がある」とは限らない点には注意してください。

完璧を求めすぎないための考え方

ここまで、外食・コンビニ食でもできる工夫を見てきましたが、毎回きっちり主食・主菜・副菜を揃えるのは、現実的には難しい場面も多いはずです。

大切なのは、1食ごとに帳尻を合わせようとしすぎないことです。 今日の昼食が丼もの単品になってしまっても、夕食や翌日の食事で野菜や食物繊維を補えば十分です。数日単位で見れば、1回の食事の偏りはそれほど大きな影響にはなりません。

また、外食や飲み会が続くタイミングがあらかじめわかっているなら、「その日は難しくなりそうだ」と先に想定しておくことも役立ちます。行動変容についての研究でも、体重管理を長く続けられている人には「誘惑が強くなりそうな場面を先に予想して備えていた」という共通点が見られています。外食や飲み会の予定が入っている日は、「その分、前後の食事で野菜を多めにしよう」とあらかじめ決めておくだけでも、崩れにくくなります。この「誘惑への事前の備え」という考え方については、行動変容ステージモデル・維持期でも詳しく紹介しているので、興味があればあわせてご覧ください。

まとめ

  • 外食・コンビニ食が続くと、エネルギー・脂質・塩分が過剰になりやすく、食物繊維をはじめとする栄養素が不足しやすい傾向が、海外・国内どちらのデータでも確認されている
  • 自炊が多い生活パターンは、2型糖尿病リスクの低下とも関連するという長期データもある
  • コンビニ・外食どちらでも、「主食・主菜・副菜」を意識して組み合わせることが実践の基本になる
  • コンビニの個別包装商品には栄養成分表示の義務があるが、外食にはない場合が多い
  • 1食ごとに完璧を目指すのではなく、数日単位で帳尻を合わせる意識と、誘惑が多い場面への事前の備えが、無理なく続けるコツになる

参考文献

  1. Gesteiro E, García-Carro A, Aparicio-Ugarriza R, González-Gross M. Eating out of Home: Influence on Nutrition, Health, and Policies: A Scoping Review. Nutrients. 2022;14(6):1265. https://doi.org/10.3390/nu14061265
  2. Zong G, Eisenberg DM, Hu FB, Sun Q. Consumption of Meals Prepared at Home and Risk of Type 2 Diabetes: An Analysis of Two Prospective Cohort Studies. PLOS Medicine. 2016;13(7):e1002052. https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1002052
  3. Matsumoto M, Saito A, Okada C, Okada E, Tajima R, Takimoto H. Consumption of meals prepared away from home is associated with inadequacy of dietary fiber, vitamin C and mineral intake among Japanese adults: analysis from the 2015 National Health and Nutrition Survey. Nutrition Journal. 2021;20:40. https://doi.org/10.1186/s12937-021-00693-6
  4. 厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」(2005年)https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/index.html
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット「外食・中食の上手な活用法」https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-03-005.html
  6. 消費者庁「栄養成分表示について」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/
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歯科医師・ブロガー
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