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頑張っても痩せないのは「二次性肥満」かもしれない

肥満の原因を示す教育インフォグラフィック
むー

食事や運動を頑張っているのに、なぜか体重が増えていく。そんな経験をしたことはないでしょうか。

肥満の多くは、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣が主な要因である「原発性肥満」です。しかし一部には、特定の病気やお薬の影響によって体重が増える「二次性肥満」というケースがあります。

日本肥満学会の『肥満症診療ガイドライン2022』が示す肥満症診断のフローチャートでも、BMIが25以上と判定された後、まずこの二次性肥満の可能性を除外することが手順として位置づけられています。今回はこの二次性肥満について、ガイドラインに基づいた4つの分類と、受診の目安になりそうなサインを整理していきます。

※日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』図1-1の診断ロジックをもとに作成

二次性肥満とは

肥満は原因によって大きく2つに分けられます。

  • 原発性肥満:特定の原因疾患がなく、生活習慣(食事・運動・睡眠など)が主な要因となる肥満
  • 二次性肥満:特定の病気やお薬など、明確な原因によって生じる肥満

『肥満症診療ガイドライン2022』では、二次性肥満として以下の4つが挙げられています。

  1. 内分泌性肥満
  2. 遺伝性肥満
  3. 視床下部性肥満
  4. 薬物による肥満

それぞれ簡単に見ていきます。

1. 内分泌性肥満

ホルモンの分泌異常によって起こる肥満です。代表的なものに、コルチゾールというホルモンが過剰になる病気や、甲状腺の働きが低下する病気、女性ホルモンのバランスが崩れる病気などがあります。

これらの病気では、体重増加以外にも、顔つきの変化やむくみ、倦怠感、月経異常といった、肥満とは別の症状を伴うことが多いのが特徴です。

2. 遺伝性肥満

生まれつきの遺伝的な要因による肥満です。頻度としては非常にまれですが、乳幼児期からの著しい肥満や、発達の遅れなど、通常の生活習慣性の肥満とは異なる経過をたどることが手がかりになります。

3. 視床下部性肥満

脳の中で食欲や代謝の調節を担う「視床下部」という部分に何らかの障害が起こることで生じる肥満です。脳腫瘍や頭部のケガなどが原因となることがあります。

4. 薬物による肥満

治療のために使用しているお薬が、副作用として体重増加を引き起こすケースです。副腎皮質ステロイドや、一部の精神科領域のお薬などで、体重が増えやすいことが知られています。

すでに何らかの治療でお薬を服用している方で、服用開始後から体重が増え始めたと感じる場合は、自己判断で中断せず、処方医に相談することが大切です。

原発性肥満との違いを疑うサイン

二次性肥満は、肥満症全体から見ればまれなケースです。とはいえ、以下のような特徴がある場合は、念のため医療機関で相談してみる価値があるかもしれません。

  • 生活習慣(食事量や運動量)に大きな変化がないのに、急激に体重が増えた
  • 体重増加とあわせて、むくみ、倦怠感、月経異常など他の症状もある
  • 子どもの頃から強い肥満があり、発達の面でも気になる点がある
  • 新しく飲み始めたお薬がある

これらはあくまで「疑うきっかけ」であり、確定診断には血液検査などの医学的な評価が必要です。

大切なのは自己診断ではなく受診

ここで紹介した内容は、二次性肥満という考え方を知っていただくためのものであり、これに当てはまるかどうかをご自身で診断するためのものではありません。

「頑張っているのに痩せない」状態が続く場合、その原因が生活習慣ではなく、背景に病気やお薬が隠れていることもあります。気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

  • 肥満には、生活習慣による「原発性肥満」と、病気やお薬が原因の「二次性肥満」がある
  • 二次性肥満は、内分泌性・遺伝性・視床下部性・薬物によるものの4つに分類される(『肥満症診療ガイドライン2022』より)
  • 急激な体重増加や、体重以外の症状を伴う場合は、念のため医療機関に相談することを検討する

「痩せない」という悩みの背景は一様ではありません。まずは自分を責める前に、こうした可能性もあるということを知っておくだけでも、次の一歩を考えるきっかけになるはずです。

参考資料

一次資料(本記事のベース)

日本肥満学会編.『肥満症診療ガイドライン2022』ライフサイエンス出版, 2022.(第1章 p.14「二次性肥満の判定と評価」)
出版社公式ページ(目次・購入): https://www.lifescience.co.jp/shop2/index_0234.html
日本肥満学会 公式案内: https://www.jasso.or.jp/contents/magazine/journal.html

分類の位置づけを示す資料

日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」P2 図1-1 肥満症診断のフローチャート(日本動脈硬化学会 転載資料)
https://www.j-athero.org/chart2025/chart2025_qr06.pdf

各分類の補足に用いた二次資料

日本内分泌学会「クッシング症候群|一般の皆様へ」(内分泌性肥満の症状の裏付けに使用)
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=31

日本内分泌学会「視床下部性肥満|一般の皆様へ」(視床下部性肥満の原因の裏付けに使用)
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=57

日本糖尿病学会編著.『糖尿病診療ガイドライン2024』第13章「肥満を伴う糖尿病」(二次性肥満の分類記載)
https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/13_1.pdf


引用に関する注記: 本記事はガイドライン本文および関連学会資料の内容を要約・パラフレーズしたものであり、原文の逐語的な転載は避けています。正確な内容を確認したい場合は、必ず日本肥満学会の公式ガイドライン原本をご参照ください。また、本記事は医学的な自己診断を目的としたものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関を受診してください。

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歯科医師・ブロガー
生活に寄り添って、豊かな生活が送れるような情報を発信しようとブログ運営をしております。できるだけ正確で役にたつ情報を、かんたんに便利に使えるように模索しています。
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